ふしぎのくにのアリスの次回作 えほんのアリス 1話 を読んでみよう

ふしぎの国のアリス というおはなしを、皆さんは、知っていますか?

今回紹介する作品は”えほんのアリス”
ふしぎの国のアリス を作った人たち
(ルイス・キャロルさんとジョン・テニエルさん)が、
0歳~5歳の小さな子供たちに向けて、集まって作った作品です。

 

タイトルはえほんのアリス

えほんのアリス
THE NURSERY “ALICE”
ルイス・キャロル さく/ジョン・テニエル え Lewis Carroll & John Tenniel
おおくぼ ゆう やく

まえがき

(お母さまがたへ)

 確かな話では、『ふしぎの国のアリス』は、
5歳から15歳までのおおぜいの子どもたちに読まれたとか。

同じように、15歳から25歳の子どもたちにも。

それだけでなく、25歳から35歳の子どもたちにも。

さらに、まさかまさか、まだ元気いっぱいで、
すれてもいない、あかぬけてもいない、あきらめきってもいない、
生き生きした子どもたち、
子どもの頃から湧き上がる喜びの泉をそのままに欲しがる子どもたち、
その長年のお話が語られぬままうやうやしく葬られるような、
「それなりの」お歳の子どもたちがいらっしゃって、
その方たちににまで読まれるとは。

 そこで今回目指すのは(むちゃかな?)、
0歳から5歳の子どもたちに読んでもらうことです。

読む? いや、違う!
むしろ、めくって、きゃっきゃ喜んで、端を折り曲げて、
しわくちゃにして、キスしてほしいのです。

読み書きのできない、えくぼのある幼い子どもたちに。
子ども部屋をゆかいなさわぎ声で、
その心の奥の奥を、安らかな幸せでいっぱいにしてほしいんです!

 たとえば、昔知り合った子どもにこんな子がいまして

  ――女の子には、どんなものでもひとつでじゅうぶん、
  パンふたつ、オレンジふたつ、何かふたつってほしがってると、
  きっと「がめつい」わるい子になっちゃうぞって、 
  しつこく言いつけられてて――

そんな子がある朝、ベッドで体を起こして、
2本ある自分の小さなあんよをまじまじと見つめて、
こうつぶやいたんです。
ふと、ばつわるそうに、「まめちい!」

1890 イースターの時節に
この絵本の始まりは、無邪気に始まります。
まだ文字が読めない子供たちにも、楽しんでもらいたい
という気持ちが伝わってきます。

1章 しろウサギのお話

むかしむかし アリスという おんなのこが いてね、
とっても へんてこな ゆめを みたんだ。
いったい どんな ゆめだったか、 ききたい?


さあて、 これが はじめの ばめん。
しろウサギが すぐそばを おおあわてで はしっていくところ、
アリスと すれちがいざま あしを とめて ポケットの とけいを とりだしてね。
そんなの おもしろくないって?
よく みてごらんよ、
ウサギが とけいを ポケットに いれて もちあるいてるんだよ?
そりゃあ ウサギだって とけいを もつなら
ポケットに いれるってもんさ。
くちに いれたって もちはこべないしね
 ―― それに はしりまわるんなら、 てが たりなくなるし。
あと おめめが あかくない?(しろウサギって
みんな おめめが あかいと おもうんだけど。)
みみも あかい、
きている うわぎは すてきな ちゃいろ、
それにほら ポケットから あかい ハンカチが のぞいてる。
ほかにも あおの ネクタイやら
きいろの チョッキとか、
ほんとに とっても おしゃれで。
「やるかな!」と ウサギさん。
「ちこくで おじゃる!」 いったい どこへ ちこくしそうなのかな?
うん、 それはね ごせんさまの ところなんだ。
(もうちょっとしたら だいどころにいる そのひとの えが でてくるからね。)
ごぜんさまはね いつも いらいらしてる おばさまのこと。
ウサギさんは またせたりしたら ひどく しかられるって おもってね。
かわいそうに これでもかってくらい びくびく。
(どんなに ぶるぶるしてたか わかる?
ちょっと ほんを ゆすってごらん、 みぎひだりに。
ほら、 ぶるぶるしてる。)
 だってね ウサギさん ばつとして
くびを ちょんぎられるかもしれないんだよ。
ハートの クイーンが いつも やることなんだけど、
はらを たてたら ちょきん(さしえは また あとでね)。
 といっても そのひと いつも ちょんぎれって いいつけるだけで、
そうなると おもいこんでるんだけど じつは だあれも そんなこと しない。
はてさて、 しろウサギが はしりぬけていったんだけど、
アリスは そのさきが きになってね。
だから ついてったんだ。
で、 はしって はしっていると いきなり ウサギあなに おっこちちゃって。
ずっと ずーっと おちつづけてね。
ぴゅ――うう――うう、 このまま せかいを まっすぐ つきぬけて、
うらがわに でちゃうんじゃないかって アリスは そんな きがしてきて!
ふかい ふかい いどみたいなのに おみずは ぜんぜん なくって。
こんなところへ ほんとに おちちゃったら
どんなひとだって きっと しんじゃう。
でもほら ゆめのなかだから おちたって けがひとつ ない。
だって おちてると おもってるあいだも
ほんとは よこになって なんのこともなく ぐっすり ねむってるだけなんだから!
それでも いつかは あなのそこに たどりつくわけで、
アリスは うずたかく つまれた おちばと えだのうえへ どすん。
けがひとつ なく ぴょんと おきあがると また ウサギのあとを おいかけたんだ。
こうして アリスの へんてこな ゆめが はじまったってわけ。
こんど しろウサギを みかけたらね、

アリスちゃんみたく へんてこな ゆめを みてみたら いいんじゃないかな。

まとめ

子供向けのほんとうに優しい文章ですね。
まだまだお話は続きます。続きはまたこんど(^^)
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ドリコレライブラリー館長大原康弘
ドリコレライブラリー館長大原康弘
ゼロから30日間で夢を叶える方法を絵本にまとめます。 子どもに絵本wo!プロジェクト進行中! 夢を叶える物語をコレクションする ドリコレライブラリー館長 大原康弘

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